今回は「意図的再植術」について
幾つか種類のある根管治療の中でも
侵襲を最も多く伴う為
最後の手段として位置付けられている治療です。
手技は、一度抜歯してしまい、細菌の残存している
根の先端部分に除菌処置を行った後
抜いた場所に歯を戻していきます。
抜歯する際に、根の表面の繊細な細胞に少なからず
ダメージが加わることから、最後の手段となります。
Retention and Healing Outcomes after Intentional Replantation.
によると、意図的再植術を行った159歯の内
12年以内に抜歯になったのは8歯ということです。
成功率に影響を与えたものとして
抜歯してから元に戻すまでの時間が15分以内であること
また根の先端部に蓋をする際に用いる材料が
挙げられています。
材料に関しては、MTAセメントという
封鎖性、及び消毒効果に優れた
根管治療において特に難症例に重宝されているものが
逆に最も術後炎症の再発が多いという
失敗率が高くなった結果が
報告されています。
硬化時間が他の材料よりも掛かるためで
一連の治療過程の中で歯に動揺が加わることで
蓋が緩くなったり取れ易くなることが
言われています。
最新の材料が必ずしも最善ではないことを
肝に銘じなければならないことを
痛感させられます。