歯周病の治療を受けると
歯の動きは治まるのか?
固い物を咬んでも痛みは無くなるのか?
あとどの位歯が持つようになるのか?
患者さんの疑問に出来る限り明確に返答
しなければならない。
歯周病も他の疾患同様治療は原因療法が主体だが
歯周病の原因や増悪因子は
患者さん単位でも歯単位でもケースバイケースで
また生活習慣病の側面も持ち再発も起こり得るので
治療の目的は、歯周病の完治というよりは
改善や病状安定という言葉の方が適切かもしれない。
一度治療しても、その後長期間経過を追い、時に積極的な再介入が
有効になる場合も多い。
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今回は歯周治療を受けた後10年以上という
長期間経過を追っている症例報告。
10年以上SPT(歯周病の管理、治療)を行った136名
1015本の歯について後ろ向きに研究している。
その結果、咀嚼の中心となる大臼歯の予後に
強く影響を与えたものとして
3度以上の根分岐部病変、骨喪失量、根管治療
残存した歯周ポケット、年齢、性別、喫煙、糖尿病
があったということだ。
他にも、文献には明記されていなかったが
10年ということは、特に患者さんは
その長い間歯周治療に対するモチベーションを
維持するのはとても大変だと思う。
それを乗り越えた患者さんの前向きな気持ち
生活背景も重要な項目になるかもしれない。
歯周病には多くの項目が関わっているので
勉強を続けて整理していきたい。
参照文献
Dannewitz B, Zeidler A, Hüsing J, Saure D, Pfefferle T, Eickholz P, Pretzl B.
Loss of molars in periodontally treated patients: results 10 years and more after active periodontal therapy.
J Clin Periodontol. 2016 Jan;43(1):53-62.