根管治療(歯の内部の消毒治療)に欠かせない
「水酸化カルシウム」
理科や化学の授業で登場した記憶がありますが
まさにそのものが歯科では日々重宝されています。
これを根管治療で歯の内部に満たした後
いかに効率よく除去するかが今回の文献のテーマです。
水酸化カルシウムは強アルカリによる
優れた殺菌能力だけでなく
歯の中に残っている腐敗した神経などの
有機質を溶かす作用もあって
根管内を清掃するのに第一選択薬として
用いられることが多いです。
一方で短所もあります。
時間と共に殺菌力は低下して無くなり
また強度や歯との接着力に劣る為
長期に渡り歯の内部を隙間なく蓋をしておく
(再び細菌が歯の中で広まる隙間を塞いでおく為に)
には不向きです。
その為、最終的に根管治療後歯の中を封鎖する際には
今まで入っていた水酸化カルシウムを出来る限り
取り除き、別の長期に渡る安定性に優れたお薬に
交換していくことが一般的です。
その際にどんな方法が水酸化カルシウムを
効率よく除去できるかを下顎の奥歯で検証しています。
結論は、当院でも行っている
シリンジによる洗浄だったり
超音波発振装置を用いた洗浄では特に除去効率に
差は無かったとのことです。
水酸化カルシウムの除去一つとっても
手法よりもまず、心を込めた丁寧な操作を
心掛けていきます。
参考文献
Ma JZ1, Shen Y, Al-Ashaw AJ, Khaleel HY, Yang Y, Wang ZJ, Peng B, Haapasalo M.
Micro-computed tomography evaluation of the removal of calcium hydroxide medicament from C-shaped root canals of mandibular second molars.
Int Endod J. 2015 Apr;48(4):333-41.