今回は歯の根を虫歯になりやすくしている
要因についての文献。
元々根は歯茎に覆われている為
表に出ておらず直接虫歯菌が付着することのない
部分だが、色々な原因により歯茎が下がり
根が表に出てくると、虫歯になることがある。
歯茎が下がる原因としては
加齢による生理的なものや
歯周病の進行によるもの
歯ブラシの当て方が強過ぎて
歯茎が傷ついて生じるものや
歯軋り等過剰な咬み合わせの力を受ける
ことで生じるものが一般的だが
最初の加齢によるものは全ての人が
避けては通れず、発症するリスクを
抱えている。
とは言っても全ての高齢者の
全ての表に出た根が虫歯になるわけでもない。
今回のテーマでもある増悪因子がある。
文献では65歳以上の高齢者を対象として調査を行っている。
聞き取り調査であったり唾液の量を測定したり
口の中の歯石や歯周病の進行や
根の虫歯(根面カリエス)を診査している。
そこから見えてきたものは
磨き残しの多い人(プラークコントロール不良)や
以前虫歯になったり治療した回数の多い人や
根が出ている部分の多い人
口の中が乾燥している人が
要注意とのこと。
特に、口の中が乾燥している人では
95%の割合で 根の虫歯が存在していたという。
複数の要因があることが分かり
その患者さんに合った根の虫歯予防プランを
組み立てる一助になる文献だった。
参考文献
Risk indicators associated with root caries in independently living older adults
Journal of Dentistry Volume 51, August 2016, Pages 8–14