今回はインプラントとその隣りの歯の隙間が
経時的に開いてくるのかを調べている文献。
歯と歯の間が極端に開いてくると
食事すると物が詰まったり
歯が動くなど
時に不快な症状を引き起こす。
インプラントは歯に直接結合している為
偏位しにくいが、歯は膜を介して骨に
結合している為、力を受けるとその方向に
動こうとする。
それでは歯とインプラントが混在し
隣り合っている場合はどうなのか。
インプラントと歯の間の隙間の
変化について調べている。
下顎6歳臼歯部に1本インプラントを埋入し
その両隣りには歯が残っている人18名を対象に
インプラントの手前と奥それぞれの
歯とインプラントの隙間の
接触強さを調べている。
結果はインプラントにクラウンを装着して
最初の3ヶ月で手前と奥両側とも接触強さが
大幅に減少(約7N→約2N)し、その後1年間は
手前側は接触強さが緩やかに減少するも
奥側は手前よりも強かった。
これは動かないインプラントに対し
歯は全体的に手前に移動していることを
意味しているが
どちらも反対側の対照群の歯と歯同士の
接触強さと有意差はなかったとのこと。
歯とインプラントの骨との結合様式の違い
によって起こる現象であり、興味深かった。
参照文献
Ren S, Lin Y, Hu X, Wang Y.
Changes in proximal contact tightness between fixed implant prostheses and adjacent teeth
J Prosthet Dent. 2016 Apr;115(4):437-40