子供を虫歯から守りたい。
これは子を持つ親に共通の思いではないだろうか。
私自身そうだが自分が虫歯で苦労してきていると
子供達にはなおさらきれいな歯のままで
痛い思いをしないでいてもらいたい。
今回は受動喫煙と虫歯の関係について。
現在の所、生物学的な機序は完全には解明されていないものの
色々と分かってきている。
受動喫煙によるニコチンの摂取により
血管が収縮して血流が悪くなって免疫力が低下したり
煙に含まれるカドミウムが唾液腺を障害して
唾液量が減るなどにより
虫歯菌への抵抗力が減少する可能性が有る。
そして今回は実際に受動喫煙を受けた子供の
虫歯状況を調査した文献について。
受動喫煙の有無による
子供の虫歯の有病率を比較している。
子供の歯は更に乳歯と永久歯とで分けて調査され
受動喫煙を受けている子供の乳歯は
受動喫煙を受けていない子供と比較し
虫歯になっている割合(オッズ比)が1.0~3.5で
弱〜中程度の関連が認められた。
一方、永久歯の場合は0.9~2.0と
弱い関連が認められ
乳歯の方が受動喫煙の影響をより受けていることが分かる。
それには、乳歯が残っている時は子供自体まだ小さく
交絡因子として歯ブラシの習慣の違いがあるかもしれないし
親と過ごす時間の長さが影響しているのかもしれない。
近年の分煙・禁煙の意識の高まりは
子供の虫歯予防にも繋がっていると言えそうだ。
参考文献
Hanioka T1, Ojima M, Tanaka K, Yamamoto M.
Does secondhand smoke affect the development of dental caries in children? A systematic review.
Int J Environ Res Public Health. 2011 May;8(5):1503-19.