喫煙が歯周病を悪化させることは
今ではメディアで多く取り上げられる
ようになりました。
煙の中に含まれるニコチン、タール、一酸化炭素
を始めとした各種有害物質が血管を収縮させて
免疫応答を低下させたり
歯面に強固に付着してプラークや歯石を付きやすく
することで歯周病を増悪します。
そして、結果として歯肉内の
細菌叢にも変化をもたらすことが分かってきました。
歯周組織が「健常」
つまり、全ての歯肉溝(歯と歯茎の境目の溝)の深さが
3mm以下の200人に対し
歯茎の中の細菌叢を喫煙者と非喫煙者で
比較している文献がありました。
これによると
両者の細菌叢は大きく異なり
喫煙者では酸素の少ない所で増殖する
嫌気性菌が多いということです。その中には
歯周病菌や虫歯菌も含まれ
多種多様な病原細菌が検出されています。
喫煙者では歯周 病や虫歯を発症していなくても
歯茎の中では、非喫煙者より多くの原因菌に
感染している状態であり
注意を要することが分かりました。
参考文献
Mason MR1, Preshaw PM2, Nagaraja HN3, Dabdoub SM4, Rahman A2, Kumar PS4.
The subgingival microbiome of clinically healthy current and never smokers.
ISME J. 2015 Jan;9(1):268-72.