歯周病ブログ㉟

歯周病の中でも難治性と言われる

根分岐部に生じた歯周病について。

 

歯周病は歯の根の表面に付着した細菌の集落

バイオフィルムが原因で起きる炎症なので

このバイオフィルムを除去できれば改善する。

理屈ではそうだが、この除去という行為が難しい

場所がある。

大掃除で例えれば、換気扇のファンや

エアコンの奥の汚れを綺麗にすることの大変さに

近いかもしれない。

どの歯も歯茎より上に出ている所は1本だが

歯茎の中では2本、3本と枝分かれしている歯がある。

奥歯がそうだが、この枝分かれの股の部分が

非常にお掃除が難しい。独特の曲面を描いていることで

器具の到達性が悪くなり、一度歯周病になると

治療成績は一般に良くない。

 

今回の文献は根分岐部病変の、特にⅡ度と呼ばれる

中程度に侵攻した状態に対する外科的な歯周病治療の

成績について検討している。

251歯を対象にした所

治療後に骨が再生した量は平均で

水平方向に0.96mm、垂直方向に0.55mmで

歯周ポケットの改善は1.38mmだったとのこと。

この1mmという値を小さいとみるか大きいとみるか

意見が分かれると思うが

例え外科治療をもってしてでも、一回では

根分岐部に生じた歯周病、骨吸収を完治させるのは

非常に困難なことが分かる。

根分岐部病変の場合には完治を治療のゴールと

必ずしもせず

改善した 所で、それを維持させる方針も現実的であり

その為にはSPTという定期的なチェックと必要であれば

再介入が重要になってくることが示唆された文献だった。

 

参考文献

Graziani F1, Gennai S, Karapetsa D, Rosini S, Filice N, Gabriele M, Tonetti M.

Clinical performance of access flap in the treatment of class II furcation defects. A systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials.

J Clin Periodontol. 2015 Feb;42(2):169-81.

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