根管治療ブログ45

外科手技は日進月歩。

今回は意図的再植術について。

 

根管治療を行っても炎症が続く場合には

外科治療が有効な場合がある。

歯を極力温存する場合には2種類方法があり

1つは歯の根の先端部(細菌が特に残存しやすい部分)

を切除する歯根端切除術

もう一つは、その歯を一度完全に抜歯して

お口の外で先程の根の先端部等病変部を

処置する意図的再植術がある。

 

今回の文献は後者について。

成功の鍵は抜歯によって歯と骨の間にある歯根膜という

細胞層を出来る限り傷付けず温存することだが

それを目的として、外科処置前に予め

ブラケットを装着しておき

患歯に上に引っ張ろうとする

(挺出)力を加えておく方法がある。

矯正治療を応用した物だが、これを行うことで

患歯の動揺が増し、また歯根膜の量も増える為

抜歯が容易になり、結果的に外科処置後の

歯周ポケットやアンキローシスを防ぐことが出来る

可能性がある。

287歯について、このことを後ろ向きに調査した所

外科処置前に2~3週間挺出力を加えておいた群は

成功率が94.4%だったのに対し

挺出力を加えていない群は83.2%だった。

 

患歯の両隣りに、ブラケットとワイヤーを装着して

加わる矯正力に耐えられるだけの歯が有れば

術前に挺出力を掛けることは有効であると思われる。

 

参考文献

Choi YH1, Bae JH, Kim YK, Kim HY, Kim SK, Cho BH.

Clinical outcome of intentional replantation with preoperative orthodontic extrusion: a retrospective study.

Int Endod J. 2014 Dec;47(12):1168-76.

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