今回も術後疼痛に関する文献です。
感染根管処置を1回で根充まで行う場合(実験群)と
RCTを2回行い、3回目で根充を行う場合(コントロール群)とでは
どちらの方が根充後の疼痛が大きかったか
根充後48時間後、及び1週間後に
アンケートを行い評価しています。
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RCTが多ければその分、根管洗浄と根管貼薬による
除菌が 期待できますが、一方で仮封部分からの
細菌漏洩 の危険性も高まります。
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症状の無い歯髄壊死歯60歯に対して コントロール群では
治療1回目で#15まで根管形成し仮封
治療2回目で根管形成完了し仮封
治療3回目で根充し仮封しています。
それぞれ根管洗浄には2.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を、
根充には側方加圧法を用いています。
Sixty single-rooted teeth were endodontically treated by two postgraduate students for asymptomatic pulpal necrosis. Thirty were treated in a single visit each, and a control group of 30 were treated in three visits each. Clinical and radiographic evaluations were made. A subjective questionnaire was used to record pain experience. No significant difference in the incidence of pain existed between the single- and multi-visit groups.
一回治療と複数回治療の術後疼痛に有意差はありませんでした。
根管治療においては、今回の実験歯の様に
元々疼痛の無い歯でも
治療に伴う根尖部への物理的、化学的な刺激により
一時的に疼痛が生じることがありますが
その発生率を少しでも下げ、患者様にストレス無く
治療を受けて頂けるように、今後も研鑽を積んでいきたいです。
引用文献