エビデンスブログ42

今回も術後疼痛に関する文献です。

感染根管処置を1回で根充まで行う場合(実験群)と

RCTを2回行い、3回目で根充を行う場合(コントロール群)とでは

どちらの方が根充後の疼痛が大きかったか

根充後48時間後、及び1週間後に

アンケートを行い評価しています。

RCTが多ければその分、根管洗浄と根管貼薬による

除菌が 期待できますが、一方で仮封部分からの

細菌漏洩 の危険性も高まります。

症状の無い歯髄壊死歯60歯に対して コントロール群では

治療1回目で#15まで根管形成し仮封

治療2回目で根管形成完了し仮封

治療3回目で根充し仮封しています。

それぞれ根管洗浄には2.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を、

根充には側方加圧法を用いています。

Sixty single-rooted teeth were endodontically treated by two postgraduate students for asymptomatic pulpal necrosis. Thirty were treated in a single visit each, and a control group of 30 were treated in three visits each. Clinical and radiographic evaluations were made. A subjective questionnaire was used to record pain experience. No significant difference in the incidence of pain existed between the single- and multi-visit groups.

つまり

 

 

一回治療と複数回治療の術後疼痛に有意差はありませんでした。

根管治療においては、今回の実験歯の様に

元々疼痛の無い歯でも

治療に伴う根尖部への物理的、化学的な刺激により

一時的に疼痛が生じることがありますが

その発生率を少しでも下げ、患者様にストレス無く

治療を受けて頂けるように、今後も研鑽を積んでいきたいです。

 

引用文献

John Martin Mulhern, Samuel S Patterson,Carl W. Newton,A. Michael Ringel
Incidence of postoperative pain after one-appointment endodontic treatment of asymptomatic pulpal necrosis in single-rooted teeth
Journal of Endodontics Volume 8, Issue 8, Pages 370–375, August 1982
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